「農協」や「JA」というワードをみなさんはどこかで聞いたことがあると思います。

「JAバンク」から「JA共済」、地元のJAまでなんとなく名前は知っているけど、どんなことをしているかは知らないという人がほとんどではないでしょうか。

今回は、農協が何をやっている組織なのか、そして現在進められている農協改革の現状や取り組みをご紹介します。

農協(JA)とは

農協(JA)は、農業協同組合の略称で、英語にするとJapan Agricultureとなるため、JAとされています。

協同組合とは、助け合いを基本的な精神とし、組合に所属する組合員が出資したお金で共通の目的のために事業を行う組織です。
JAロゴ
<JAロゴの変遷 JAグループ HPより>

株式会社が利益を追求し、株主に配当を返していくことを特徴としているのに対して、協同組合は出資者が組合員自らであるため、利益を追求する以上に、組合員の共通目標の達成が求められるのが特徴です。

協同組合には、農業協同組合以外に、生活協同組合、漁業協同組合などがあります。

農協は、組合員が「農家が農業を通して生活していくこと」を目標にした組織です。農協が求められた背景には、戦後日本の農家の貧しさが背景にありました。

そのような中で、貧しい農家が団結をして、出資金をもとにした事業によって生計をたてていくということが目標とされました。

農協の事業

農協は信用・共済・経済・厚生など多くの事業を行っています。

信用事業は銀行に当たるもので、いわゆる「JAバンク」がこれにあたります。

共済事業は保険に当たるもので、いわゆる「JA共済」がこれにあたります。

経済事業は、農家から集めた農産物を販売する販売事業と、農家が農業を行うのに必要な設備や資材を購入する購買事業からなります。

一括して農協が集めて販売することで競争力のない農家も一定の価格で市場に出荷することができます。
JAとは 農協
また、1つ1つの農家が個人で買うと価格が高くついてしまう設備や資材も農協がまとめて購入することで、価格を下げ、農家の負担を軽くすることができます。

厚生事業は農協が行う病院経営の事業です。

JAグループの仕組み

日本の農協は、地域別の農協と事業別の農協およびその関連組織からなるJAグループが組織しています。

地域別の農協は、全国、都道府県、各市町村または地域の3段階にわかれています。

全国段階、都道府県段階では農協が事業ごとにわかれています。一方、各市町村または地域の段階にあたる農協を単位農協といい、単位農協ではすべての事業を行います。

たとえば全国段階では、信用事業を行う農林中央金庫、共済事業を行うJA共済、経済事業を行うJA全農、厚生事業を行うJA全厚連となります。

また、各事業および全国のJAをまとめる代表・指導事業を担う、JA全中があります。

その他に出版事業を行う家の光協会や、観光事業を行う農協観光などといった関連組織も存在します。都道府県段階でも、各事業ごとに農協が存在します。

農協改革とは

農協は「農協法」という法律によって規定され、株式会社など他の経済組織とは違う法律で規制されています。その農協法が、2016年4月に改正されました。その改正に伴う一連の動きを「農協改革」といいます。
JAとは 農業
改正農協法のポイントは、大きく分けて

①各農協の理事に経営能力のあると認められる者を一定割合入れることを義務付ける

②各農協の監査機関をJA全中から外部の公認会計士に変える

の2点です。
これは、農協の経営に対して、外部からの視点を入れるという考え方に基づいています。

改正農協法に対して、JAグループは「自己改革」を訴え、より農家や広く国民に支持されることを目指し、様々な取り組みを自ら行っています。

自己改革の事例

JAアクセラレーター

JA自己改革の事例として、JAアクセラレーターを紹介します。アクセラレーターは、JAグループが行っている、起業家・事業家支援の取り組みです。
JA JAアクセラレーター 農業 起業家<JAアクセラレーター HPより>

「食と農とくらしのイノベーション」をテーマに、農村の課題を解決することを目指す起業家・事業家に対し、ビジネスプランコンテストを行い、選抜された起業家・事業化に対してJAグループの経営資源の提供、出資、メンタリングを行っていく予定です。

2019年3月まで募集を行い、6月から10月をプログラム期間とする予定とのことです。

農協改革の今後

農協改革については、改正農協法成立前、国民的な議論となりました。

これは農協の経営合理化を進めるという声があるという一方、農協や組合員の農家からは、組合員による民主主義的な組織である農協に、外部の視点を入れることへの抵抗の声もあがりました。

様々な考え方があり、1つにまとめることは難しいですが、農協が農家のための組織であるという原点に立ち、現場に合った形で少しずつ改革を進めていくことが求められるのではないでしょうか。

まとめ

農協は日本の農業を守ってきたネットワークを持っています。JAアクセラレーターのように、JAグループの強みを生かして、起業家や新規就農者が活躍できる環境ができていくと、農村の膨大な課題が1つ1つ解決されていく一助になるのではないでしょうか。

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