高齢化の影響で日本の高齢者の割合が増加することにより、高齢者に関わる社会的課題も増加しています。その影響を受けている業界の一つが介護業界です。

介護業界には解決しなければならない複雑な課題が多く存在しますが、ここでは介護業界の人手不足問題をご紹介します。

介護業界の人手不足の現状

厚生労働省の調査によると2025年時点で介護人材の需給ギャップは需要見込みが253万人に対して、供給見込みが215.2万人となり、37.7万人が不足すると推計されました。介護人手不足 社会課題
実際の現場ではどうかというと、公益財団法人介護労働安定センターが行った「介護労働実態調査」では、介護サービスに従事する従業員の不足感が66.6%(「大いに不足」+「不足」+「やや不足」)であるとわかり、「適当」であるの33.0%を上回る状態が4年連続続いているという結果でした。介護 人手不足 社会課題<出典:公益財団法人介護労働安定センター2017年「介護労働実態調査」より>

人手不足の原因

なぜ介護人材が不足しているのでしょうか。もちろん、高齢比率の上昇によって介護需給の上昇に労働供給が伴っていないことも原因と考えられますが、介護業界の構造的要因も考えられそうです。

「介護労働実態調査」によると介護従事者が不足している原因について事業所へ行った調査では、「採用が困難である」という理由が突出していることがわかりました。
介護 人手不足 社会課題<出典:公益財団法人介護労働安定センター2017年「介護労働実態調査」より>

そして、「採用が困難である」回答した事業所に困難な理由についてさらに質問した結果、「同業他社との人材獲得競争が厳しい」56.9%、「他産業に比べて、労働条件等が良くない」55.9%、「景気が良いため、介護業界へ人材が集まらない」44.5%でした。
介護 人手不足 原因<出典:公益財団法人介護労働安定センター2017年「介護労働実態調査」より>

人手不足の原因としては、他産業に比べて賃金を含めた労働条件が良好でないことが考えられそうです。

解決の方向性

人手不足の解消には採用数を増加させるという母数を広げる施策と入社した人にできるだけ長く働いてもらうという定着させる施策が重要となるでしょう。

母数を広げる観点では、求職者に介護業界で働きたいと思ってもらう必要があります。内閣府が行った介護職のイメージ調査によると介護職についてのイメージは「夜勤などがあり、きつい仕事」、「給与水準が低い仕事」、「将来に不安がある仕事」などのイメージが持たれており、就業の阻害要因となっていると考えられます。
介護人手不足 原因<出典:内閣府2010年「介護保険制度に関する世論調査」」より>

また、人材の定着という観点では、従業員が辞めてしまう原因を取り除く必要があります。

社会福祉振興・試験センターの「平成24年度社会福祉士・介護福祉士就労状況調査」によると、介護福祉士が職場を辞めた理由には「結婚・子育て」、「職場の方針や人間関係などの雇用管理のあり方」が関係していると考えられます。
介護 人手不足 原因<出典:社会福祉振興・試験センター2012年「度社会福祉士・介護福祉士就労状況調査」より>

まとめ

介護業界は社会保障の対象となり、政府や法律制度が大きく関わる業界となっています。

人手不足の解決には、政府主導の制度改革や待遇改善が大きな進展に繋がるかもしれませんが、民間としての取り組みやテクノロジーの活用によって人手不足の解消に近づくことも可能でしょう。

介護業界の職場環境・待遇の改善や業務効率の向上に向けた政府と民間によるアプローチが期待されます。

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