SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、持続可能な世界を実現するための17の目標と169のターゲットから構成されており、2015年9月の国連サミットで193の国連加盟国の合意によって採択された2016年から2030年までの国際目標です。

ここでは、目標15の「陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る」について解説します。

目標15:「陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る」

SDGs 社会課題 森林 砂漠化

地表の30%を覆う森林は、食料の安定確保と避難場所の提供に加えて、気候変動と闘い、生物多様性や先住民の居住地を保護するうえでも鍵を握る役割を果たします。

毎年、1300万ヘクタールの森林が失われる一方で、乾燥地の劣化が進み、36億ヘクタールが砂漠化しています。

人間の活動と気候変動に起因する森林破壊と砂漠化は、持続可能な開発にとって大きな課題となっており、貧困と闘う数百万人の暮らしや生計に影響を与えています。

森林を管理し、砂漠化に対処するための取り組みが行われているところです。(※1)

目標15のターゲット

目標15におけるターゲットは下記の12項目です。

15.1 2020 年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。

15.2 2020 年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。

15.3 2030 年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。

15.4 2030 年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。

15.5 自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020 年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。

15.6 国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する。

15.7 保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じるとともに、違法な野生生物製品の需要と供給の両面に対処する。

15.8 2020 年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う。

15.9 2020 年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む。

15.a 生物多様性と生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる資金源からの資金の動員及び大幅な増額を行う。

15.b 保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林経営のための資金の調達と開発途上国への十分なインセンティブ付与のための相当量の資源を動員する。

15.c 持続的な生計機会を追求するために地域コミュニティの能力向上を図る等、保護種の密猟及び違法な取引に対処するための努力に対する世界的な支援を強化する。

陸上生態系の現状

目標15の「陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る」に対する具体的な成果指標として12のターゲットを紹介しました。

これらのターゲットを達成するには、現状とのギャップを知り、そのギャップを埋めるためのアクションが必要となります。以下は陸上生態系の現状を表すデータです。

森林の現状

・およそ16億人の人々(7000万人の先住民を含む)が暮らしのために森林に依存している。

・森林には、動物、植物、昆虫などすべての陸生種の80%以上が生息している。

・2010年から2015年の間に、世界で330万ヘクタールの森林地帯を失われた。 貧しい農村部の女性は、森林資源に依存しており、その枯渇の影響を受けている。

砂漠化の現状

・60億人が直接的に農業に依存しているが、農業に使用される土地の52%は土壌劣化によって中程度または深刻な影響を受けている。

・干ばつと砂漠化のために、毎年1,200万ヘクタールが失われている(23ヘクタール/毎分)。 その土地が利用できれば1年で2000万トンの穀物が栽培できたと推定される。

・貧困層の74%が土地の劣化の影響を直接受ける。

生物多様性の現状

・野生生物の非合法な密猟と売買は、120カ国で報告されており、約7,000種の動植物に対する保全努力を妨害し続けている。

・発見されている8,300種の動物のうち、8%が既に絶滅しており、22%が絶滅の危機にある。

・魚は約30億人に動物性タンパク質の20%を提供している。 10種のみで海洋捕獲漁業の約30%に相当し、その10種は養殖生産の約50%も占めている。

・人間の食事の80%以上が植物によって提供されている。 米、トウモロコシ、小麦の3つの穀物だけでエネルギー摂取量の60%を占めている。

・発展途上国の農村部に住む人々の80%は、伝統的な植物由来の医療に依存している。

・微生物と無脊椎動物は生態系の鍵ですが、その寄与はあまり知られておらず、ほとんど認められていない。

まとめ

森林は地球の土地面積の約31%を占めています。

考えてみれば、私たちが呼吸する空気、私たちが飲む水、私たちが食べる物、多くを森林が支えているとわかります。

そして、約16億人が森林に依存して生計を立てており、世界の貧困層の約75%が土地の劣化によって直接影響を受けていて、すべての陸生種の80%以上が森林に生息しています。

生物多様性とそれが支えている生態系は、気候変動の緩和を助け、災害リスク軽減の基礎となります。

また森林や自然も、レクリエーションや精神的な幸福にとってとても重要です。

多くの文化において、自然景観は精神的価値、宗教的信念、伝統的教えと密接に結びついているという側面もあります。

私たちが生きる上で欠かせない陸上生態系の保全のために世界共同の具体的な取り組み必要です。

※1 目標15の概要文は国際連合広報センターHPより引用

参考サイト 
・国連HP
・外務省「持続可能な開発のための2030アジェンダ

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