地球温暖化は地球規模で影響が生じる非常に大きな社会課題です。温暖化の影響で生じる気候変動や環境変化は現在はもちろんのこと、将来的にも人々に大きな負担をかけます。
ここでは、国境を越えた課題であり、改善に向けて国際的な協力が不可欠となる地球温暖化の問題についてご紹介します。
地球温暖化とは
地球温暖化とは人間の活動による温室効果ガスの排出によって、地球全体の平均気温が上昇する現象を指します。
温室効果ガスは英語でGreen House Gases(GHGs)と言われ、主な種類として「二酸化炭素」、「メタン」、「一酸化二窒素」、「フロン類」が含まれています。
人間活動による温室効果ガス総排出量の内訳(2010年時点)は、二酸化炭素が76%を占めており、地球温暖化対策として二酸化炭素の排出量削減が掲げられるのは最も温暖化への影響を与えているガスであるためです。
地球温暖化の構造
現在、地球の平均気温は15℃前後ですが、もし大気中に水蒸気や温室効果ガスが存在しなければ、地球の平均気温はマイナス20℃前後まで下がると考えられています。
温室効果ガスが存在することで、太陽から地球に届いた光が地球の地表を暖め、その地表から放射された熱を温室効果ガスが吸収し、大気を暖めることを可能にしています。
しかし、現在は自然環境による変動ではなく人間の産業活動が活発になることで、温室効果ガスが大量に大気中に排出されて、大気中の温室効果ガス濃度が高まり、熱の吸収が増えた結果、気温が上昇し始めています。
地球温暖化のデータ
IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change=国連気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書(2013年)によると地球温暖化に関する現在及び将来の科学的見解は以下のようにまとめられます。
地球温暖化の原因
・人間活動が20世紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な要因であった可能性は95%以上である。
現状
・大気中の二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素は、過去80万年間で前例のない水準まで増加している。
・1880~2012年において、世界平均地上気温は0.85℃上昇した。
・最近30年の各10年間の世界平均地上気温は、1850年以降のどの10年間よりも高温である。
・海洋は人為起源の二酸化炭素の約30%を吸収して、海洋酸性化を引き起こしている。
・1901-2010年の期間中、世界平均海面水位は0.19m上昇した。
・1992~2005年において、3000m以深の海洋深層においても水温が上昇している可能性が高い。
・1979-2012の期間中、北極圏の年平均海氷面積の減少は10年あたり3.5-4.1%の割合であった可能性は90%である。
将来予測
・今世紀末までの世界平均地上気温の変化予測は0.3~4.8℃である可能性が高い。
・今世紀末までの世界平均海面水位の上昇予測は0.26~0.82mである可能性が高い。
・CO2の総累積排出量と世界平均地上気温の変化は比例関係にある。
・最終的に気温が何度上昇するかは累積排出量の幅に関係する。
・これからの数十年でより多くの排出を行えば、その後はより多くの排出削減が必要となる。
まとめ
地球温暖化はメディアでも多く取り上げられ、社会的に認知度の高い社会課題です。しかし、個人からすると危機感は感じつつも自身の行動が地球環境に与える影響は小さいように感じられて、改善への取り組みが難しい領域だとも考えられます。
進行する地球温暖化の影響を再認識して、個人も組織も改善に向けた行動を起こす必要があります。また、政府機関やメディアは危機感を煽るだけでなく、改善の経過を具体的に示すなど、取り組みの効果を示すことも改善意欲の向上に必要でしょう。