SDGs:目標13「気候変動に具体的な対策を」

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、持続可能な世界を実現するための17の目標と169のターゲットから構成されており、2015年9月の国連サミットで193の国連加盟国の合意によって採択された2016年から2030年までの国際目標です。

ここでは、目標13の「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」について解説します。

目標13:「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」

SDGs 社会課題 気候変動

気候変動はあらゆる大陸のあらゆる国に影響を及ぼすようになっています。国民経済が混乱し、生活に支障を来たすことで、人々やコミュニティー、そして国々には、現在はもちろんのこと、将来的にもさらに大きな負担がかかることになります。

人々は気候変動の深刻な影響を受けていますが、その中には天候パターンの変化、海面の上昇、異常気象の増加が含まれます。人間の活動に起因する温室効果ガスの排出は、気候変動を助長しながら、増大し続けています。

排出量は現在、史上最高の水準に達しています。これに対策を講じなければ、地球の平均表面温度は21世紀中もさらに上昇を続け、上昇幅は今世紀中に摂氏3度を超えるものと見られます。

世界には、これよりさらに大幅な温暖化が進む地域も出てくるでしょう。一番大きな影響を受けるのは、最貧層と最弱者層です。

各国がよりクリーンで強靭な経済を一気に達成できるような、手ごろで拡張可能な解決策は、すでに利用できる状態にあります。

再生可能エネルギーその他、温室効果ガス排出量を削減し、適応への取り組みを本格化させる幅広い措置を採用する人々が増えていることで、変革は加速しています。

しかし、気候変動は国境を越えたグローバルな課題です。どこかで温室効果ガスの排出が増えれば、あらゆる場所の人々に影響が出ます。

これは国際レベルで調整すべき解決策を必要とする問題であるため、開発途上国の低炭素経済への移行を支援するための国際協力が重要となってきます。(※1)

目標13のターゲット

目標13におけるターゲットは下記の5項目です。

13.1 すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応力を強化する。

13.2 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。

13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。

13.a 重要な緩和行動の実施とその実施における透明性確保に関する開発途上国のニーズに対応するため、2020 年までにあらゆる供給源から年間 1,000 億ドルを共同で動員するという、UNFCCC の先進締約国によるコミットメントを実施し、可能な限り速やかに資本を投入して緑の気候基金を本格始動させる。

13.b 後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において、女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する

気候変動の現状

目標13の「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」に対する具体的な成果指標として5つのターゲットを紹介しました。

これらのターゲットを達成するには、現状とのギャップを知り、そのギャップを埋めるためのアクションが必要となります。以下は気候変動の現状を表すデータです。

・先進国は、緩和活動のために2020年までに年間1,000億ドルを共同で動員するという目標に向かって進展を続けている。

・1880年から2012年までで平均気温は0.85℃上昇した。

・1度の気温上昇ごとに、穀物収穫数は約5%低下する。 トウモロコシ、小麦およびその他の主要作物は、1981年から2002年の間に、温暖な気候のために年間40メガトンの世界的な収量減少となっている。

・海洋は温暖化し、雪と氷の量は減少し、海面は上昇している。1901年から2010年にかけて、温暖化と氷が溶けることによって海面が上昇し、世界の平均海面は19cm上昇した。

・温室効果ガスの現在の濃度と進行中の排出量を考慮すると、今世紀末までに、地球温暖化の進行で1850年から1900年の気温に比べて1.5℃上昇すると推定されている。

・平均海面上昇は、2065年までに24〜30cm、2100年には40〜63cmと予測されている。気候変動のほとんどの側面は、温室効果ガスの排出が停止しても何世紀も持続します。

・1990年以来、世界の二酸化炭素(CO2)排出量はほぼ50%増加している。

まとめ

気候変動は放置すれば、地球全体の気温が3℃以上上昇し、すべての生態系に悪影響を及ぼすと考えられています。

既に、気候変動が暴風雨や災害をどのように悪化させ、紛争の原因となる食糧や水不足などの脅威に影響しているかは明らかとなっています。

気候変動緩和のために個々人が意識改革することはもちろんですが、具体的な取り組みと成果の実現へ向けた行動がより一層求められています。

※1 目標13の概要文は国際連合広報センターHPより引用

参考サイト 
・国連HP
・外務省「持続可能な開発のための2030アジェンダ

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